先月末、右手(利き手)の薬指の中手骨が折れました。不慮の事故で。ただの突き指なんですけど。全治1ヶ月。治るまで思い切って全部位トレーニングは休もうと思ったんですが、2週間も経たない内にじっとしてはいられなくなってきたので治癒に影響しない程度にトレーニングするにはどうしたらいいか考えてみました。悪あがき。
・でも基本は休まなあかんで〜けどな…
著名なビルダーもセミナーで「怪我をしたら無理して中途半端にトレーニングするより治療に専念した方がいい」「治って再開すれば、筋量はすぐ戻るから」と仰ってました。サイズダウンを恐れて焦って動かして、かえって怪我が悪化しかねませんから。正論。
しかし
それは建前であって、特にセミナーという公の席で大衆に対して慎重論を諭すのは当たり前じゃないかと。そのビルダーは実績的に業界でもトップクラスの知名度を誇る方で、やってるトレーニングも超ヘビーデューティーなんで、ちょっとやそっとの事で休んでそうには見えず、常にどこかしら慢性的に痛みを抱えてるはず。実際、他人には無理するな休めと言いつつ、腕にギブスはめてケーブル引っ張ってた事もあったし(笑)
要するに怪我の程度によるのです。だって、流石に大腿骨折れてる時に脚のトレーニングもクソもあるかよっていうね。以下、今回わたしのケースでトレーニングでこれならできる、こうすればできるっていう工夫した点について解説します。
まず、どういう時に痛みが生じるのか正確に把握しないといけません。そもそも当初の予定は完全休養なのです。悪化させたらタダの馬鹿。
で、まず
握ることができない。
ということは
(バーベルもダンベルも)何も持つことができない。
フリーウェイトで手も足も出ないとか終わってんじゃね…と思いつつも、探り探り体を動かしていき、治るまでの期間の特別種目が確定しました。↓
〈背中〉
握る動作がNGなので、パワーグリップの力を借りることもできません。手を引っ掛けられれば「引く」動作が可能になると考え、とあるアイテムを用いることに。
▼ナイロンスリング(30cm)
これは一応、登山用品なんですが、他の目的に使いたくて買ってあったものです。今回の用途に丁度良くマッチしたので抜擢。3本写ってますが使うのは2本。
▼バーに結んで
▼手首を引っ掛けるだけ
これでバーにつかまらなくてもチンニングが可能になりました。負傷箇所に影響無くできたのでトレーニング中はご機嫌だったんですが、後で手首部分の皮膚がヒリヒリに。他に幅の太い輪っか状の紐があればいいのかもしれませんが、現状でもリストラップで保護してやれば問題ありません。
10kgまで加重して行いましたが、あまり重くし過ぎると手首が脱臼するかもしれないな〜と微かながら悪い予感がしたので無理は禁物。それは洒落にならないので。
シーテッドローも同じ要領でできそうですが、ただでさえ全治1ヶ月丸々ブランクが空きそうなところをこれだけ動かせるのだから、このくらいで満足ぢゃん?と。まあ、あまり欲をかいてもいけませんしね。英断。
〈胸〉
バーベルやダンベルを手に保持することができない、こういう時こそマシンが使えたら便利なんですが、わたしはホームトレーニーです。それは好き好んでそうしているんでしょうがありません。というわけで現状の設備だけで賄うとするとディップス一択になります。プッシュアップバーを使えば腕立ても選択肢に入りますが、がっつりディップスができるだけでお腹いっぱいです。
▼手首を立てて支点の真上にくるように
怪我をしていて握れないけど、掌で押すことはできるという時に限らず、プレス系はあまり手首を寝かせないのが基本ですが微妙な位置でも骨折箇所に負担がかかるので一層慎重に。ポジションが定まればノープロブレム。
〈腕〉
三頭筋に関してはこだわりのアタッチメントの記事でも推しましたVバーを、手首を引っ掛けてフォルスグリップみたいにアレンジした握り方でプレスダウンをします。指を使わないので、その分安定感に欠くので重量を落とさざるを得ませんが、何もできないよりかはマシです。
・とりあえず
治るまでの間は、これだけやって気を紛らわしています。思えばコンテストが明けても、せいぜい3日間ぐらいしかトレーニングは休んだことがなかったので2週間ものブランクは今までで最長となりました。期間はまちまちですが、数週間トレーニングをしないオフの期間を設けたら疲労も取れて体の反応が良くなったよ〜っていうビルダーの証言をちらほら聞いていながらも実際に実行に移した事はなかったので、そういう意味では良い機会を得られました。縮小版のメニューでも、久々のトレーニングは十分味わい深い実感があったので、全快までが待ち遠しいです。
▼追記
4月に入って経過としまして、本格的にトレーニングを再開しました。医者曰く、徐々に慣らしていくようにとのことです。ギュっと握り込む動作をすると痛みがあって重過ぎるダンベルは保持できないので、ワンハンドロウやプレス系の種目は以前までのフルな重量を扱えないでいます。にも関わらずチンニングなどは加重を行なっても大丈夫だったり、まだありがたい方だと体を動かす喜びを噛み締めつつトレーニングを行なっているところです。
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